日本CT技術学会雑誌
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テクニカルノート
肝臓dynamic CTの動脈後期相における至適再構成スライス厚の検討
早坂 駿原田 耕平大橋 芳也田仲 健朗千葉 彩佳沼澤 香夏子今井 達也片桐 好美
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2020 年 8 巻 1 号 p. 1-

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抄録

1) digital phantom作成ツールを用い, 腫瘤性病変のサイズなどの条件を設けて視覚評価を行った.

2) 再構成スライス厚5 mmにおいて最も低コントラスト検出能が高い結果を示した.

3) AUCは再構成スライス厚5 mmにおいて最も高い値を示した.

要旨

肝細胞癌のサーベイランスとして, 肝臓dynamic CTは既に確立された撮影法であり, この領域では低コントラスト検出能が重要視される. 低コントラスト検出能に影響を与える要因として, 再構成スライス厚が挙げられるが, 至適再構成スライス厚を検討する上で腫瘤性病変の大きさやCT値差を決定し, 検討した報告は見受けられない. 近年, 原田らによってdigital phantom作成ツールが報告され, 容易に臨床画像を用いて低コントラスト検出能の評価を行うことが可能となった. 本研究の目的は, 模擬腫瘤を用いて肝臓dynamic CTの動脈後期相における至適再構成スライス厚を求めることである. 対象は上腹部dynamic CTを行った20症例とした. 全ての症例にdigital phantom作成ツールを用いて, 直径10 mm, CT値差+15 hounsfield unit (HU)の模擬腫瘤を1つ無作為に加算し, レトロスペクティブに再構成スライス厚3, 5, 7 mmの画像を作成した. 模擬腫瘤なしの画像も用意し, receiver operating characteristic (ROC)解析を行い, area under the curve (AUC)を求め, 多重比較し, 検討した. 再構成スライス厚3, 5, 7 mmのAUCの平均はそれぞれ0.90, 0.94, 0.81であり, 多重比較の結果より再構成スライス厚7 mmは有意に低い値を示し (p<0.05), 5 mmが最も高い値を示した. 最も低コントラスト検出能が優れた再構成スライス厚5 mmは至適再構成スライス厚と言える.

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