日本CT技術学会雑誌
Online ISSN : 2434-2750
Print ISSN : 2434-2769
原著
ロボット支援腎部分切除術術前評価のための70 kV CT Angiographyの検討
谷 和紀子市川 勝弘Noriyuki Negi日下 亜起子
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2020 年 8 巻 1 号 p. 6-

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抄録

重要な要点

1) 70 kVは120 kVに対して約2倍のCT値を得ることができる

2) 70kV CTAは120 kV CTAと比較し,有意に動脈のCT値を上昇させるだけなく,静脈のCNRを向上させた.

3) 70kV の使用により1相撮影が可能となり,120 kVの2相撮影と比較し被ばくを約70%低減した.

要旨

[目的]腎動脈と腎静脈を分離して描出するためのロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術前CTA検査において,従来の120 kVによる2相撮影(動脈相と静脈相)と70 kVの低管電圧による1相撮影(動脈相)について,放射線量と定量的な画質を比較する.

[方法]腎腫瘍の手術のためCTAを行った50症前に対し,前半の25名は64列または320列マルチスライスCT装置を用いた120 kV,後半の25名は96列のマルチスライスCT装置を用いた70 kVで撮影を行った.その後,腎動脈,腎皮質,及び腎静脈のCT値,ノイズおよびCNR測定を行った.

[結果]120 kV CTAにおける平均CTDIvolは合計で46.2±6.7 mGy,70 kV CTAの動脈相における平均CTDIvolは12.7±3.5 mGyであった.70 kV CTAの腎動脈のCT値は798.6 ± 119.4 Hounsfield unit (HU),腎皮質のCT値は360.3 ± 62.4 HU,120 kV CTAの腎動脈のCT値は318.1 ± 46.9 HU,腎皮質のCT値は265.8 ± 33.1 HUであり,120 kV CTAと比較し70 kV CTAのCT値は有意に高かった(P < 0.05).また,70 kV CTAの腎皮質のノイズ(SD)は9.4 ± 2.9 HU,腎静脈のSDは10.0 ± 2.2 HU,120 kV CTAの腎皮質のSDは16.9 ± 1.8 HU,腎静脈のSDは17.1 ± 1.9 HUであり,120 kV CTAと比較し70 kV CTAのSD値は有意に低かった(P < 0.05).腎静脈のCNRは,70 kV CTAが8.8±4.5,120 kV CTAが0.8±0.8であり, 70 kV CTAは120 kV CTAと比較しての有意に高かった(P < 0.05).

[結語]ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術前CTA検査において,70 kVを用いた動脈相1相撮影は,120 kVの2相撮影と比較し,73%の放射線線量の低減を可能とし,有意に動脈のCT値を上昇させるだけなく,静脈を十分に描出した.

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