2026 年 10 巻 2 号 p. 39-42
政府では博物館のデジタル化とそれによるDXの実現を目指して「Innovate MUSEUM事業」をはじめとする多様な支援施策を実施している。本稿ではその成果として、京都の共用型基盤や宮城の地域資料のデジタル化に伴う価値再編といった好事例を提示する。一方で、デジタル化が変革の手段ではなく、それ自体が「目的化」しているという課題も浮き彫りになってきた。それぞれの博物館が実現すべきDXを具体化し、その目的を達成していくために、ロジックモデルを用いた戦略的な事業設計の必要性を示している。デジタルアーカイブを「生きた文化資源」として再定義し、DXを推進することは、博物館が「文化の結節点」となるための重要なアプローチであると言える。