2019 年 3 巻 2 号 p. 135-138
本報告では、「スペイン史研究のためのウェブリソースポータル」の構築背景とそのシステムを論じる。筆者が行ったスペイン史学会会員に対するアンケート調査の結果、研究上有用なウェブリソース情報の入手の場がないこと、また、近年興隆しつつあるデジタルヒューマニティーズ(DH)やデジタルヒストリー(DHis)の成果が十分享受できていないことが明らかになった。そこで報告者は、DHやDHisを含むスペイン史研究のためのウェブリソース情報の入手と共有を目的に、Omeka.netを利用したポータルサイトを構築した。その特徴は、メタデータの入力項目を減らし徹底的な省力化を図ったこと、展示機能を活用したウェブリソース入門用ページを作成したこと、また、ウェブフォームを活用し研究者からのフィードバックを得られるようにしたこと、そしてなにより構築から運用まで、すべて無料で利用できるものだけで作成したことにある。