2019 年 3 巻 2 号 p. 175-178
フィルムアルヒーフ・オーストリアは、映画フィルムおよび映画関連資料の収集・保存および公開を使命とするフィルムアーカイブであり、デジタルアーカイブの構築にも積極的に取り組んでいる。2012年以降は「あなたのフィルムが歴史をつくる」をモットーに、各州政府および国内最大の放送局ORFと共同で、ホームムービーの収集およびデジタル化を継続的に行なっている。ブルゲンラント、ニーダーエスターライヒ、サルツブルクの各州から収集し、デジタル化を完了したフィルムは11万本を超え、ホームムービーの分野では先駆的かつ最大のデジタルアーカイブの一つとなっている。本報告では、中でも最大規模のニーダーエスターライヒ州の例を中心に、7万本を超えるフィルムを正味3年足らずの期間にデジタル化するにあたり、浮上した様々な課題について述べる。