2019 年 3 巻 2 号 p. 235-238
東京文化財研究所(以下、当研究所)は1930年の設立以来、文化財に関する様々な情報を蓄積してきた。これらの蓄積による成果は主に刊行物として発表されてきたが、情報そのものの活用は限定的だった。対象とする文化財や、調査・研究手法を限定せず、幅広く情報を蓄積しており、情報の管理・運用が個々の研究者に任されていたためである。そこで、これらの情報のより活発な活用を目指して、総合的な文化財情報のアーカイブが構想され、2014年、プロトタイプとして、所蔵資料や刊行物を中心としたデータベースである刊行物アーカイブシステム(以下、刊行物AS)を開発した。本発表では刊行物ASの運用について報告し、合わせて刊行物ASの成果として『日本美術年鑑』および「東文研 総合検索」について紹介する。