2020 年 4 巻 2 号 p. 221-224
大阪中之島美術館(2021年度開館予定)は、これまでその総体に関してほとんど公にしてこなかった作品外収蔵資料(一次資料を主とした収集アーカイブズ)について、幅広い調査・研究への利用を促すため、所在情報の公開とアクセス提供サービスの整備に取り組んでいる。情報管理システムとして昨年度導入したArchivesSpaceは、階層記述を標準とするアーカイブズの目録を適切かつ効率的に作成・管理するオープンソースソフトウェアで、文書記録管理の専門機関ではない美術館等での採用も北米を中心に増えつつある。
アーカイブズ管理業務の位置付けは諸機関においてさまざまであろうが、利用可能なシステムの選択肢のひとつとして、本発表では、大阪中之島美術館のArchivesSpace導入事例を紹介する。また、オープンソースソフトウェアを用いた情報管理システムの維持について、提案を共有する。