2022 年 6 巻 4 号 p. 159-162
自然史データの代表として生物多様性情報をとりあげ、その基盤となる標本情報の集積・利用上の課題を議論した。国立科学博物館においては、館内のデータ管理には「標本・資料統合データベース」が、国内の自然史博物館のデータの集積を目的として「サイエンスミュージアムネット(S-Net)」がある。両者のシステム導入とデータの長期保管・長期利用における課題をスペック、仕様書、長期の維持と保証、データフォーマットとデータ移行の点から比較した。これらの観点に加え、今後は外部連携・セキュリティなどが評価できる人材の育成や、システム構築のノウハウ共有が大切である。