2022 年 6 巻 s3 号 p. s218-s221
本発表は、リトアニア共和国のデジタルアーカイブのポータルサイトであるePaveldas(アーパーヴェルダス)のリニューアルの契機について考察を行うものである。ePaveldasは2005年に公開されて以降、2度リニューアルされており、2度目が完了したのは2022年2月であった。ユーザーの視点では、2度目のリニューアルの前のePaveldasは、検索機能の不具合等、使い勝手に課題があった。他方、運営側からの視点として、国立マジュヴィーダス図書館においてヒアリングの結果をまとめたところ、2度目のリニューアルは、二次利用のための著作権の権利関係を表示することに注力していた。また、最初のポータルサイトの公開と2度のリニューアルは欧州連合の助成金を受けることによって行われていた。リニューアルの契機は、運営側の方針や助成金の有無等の様々な要因があることが分かった。今後は、デジタルアーカイブのポータルサイトのステークホルダーについて、さらなる調査が必要である。