2022 年 6 巻 s3 号 p. s222-s225
現在、3D仮想空間をインフラとして利用する「メタバース」が試みられている。博物館や美術館を模した文化資源として成立しうる精度のコンテンツも存在するが、仮想空間のコンテンツを将来にわたって再利用するための、アーカイビングシステムは存在していない。そのため、将来的にメタバースが普及した際、従来のWeb情報資源のように、制作された文化資源が散逸する可能性が高い。情報資源の散逸を繰り返さないために、今後の利活用方法を検討・予測し、アーカイビングシステムを整備しなければならない。
本稿は、メタバースにおけるワールドを環境とコンテンツに分けて蓄積し、検索、利活用が出来るシステムの構築を目指している。現在は、蓄積されたワールドに対してのメタデータの付与と、検索システムの構築について研究を進めており、現状の仮想空間デジタルアーカイブのワールド検索システムについて解説を行い、今後の検討すべき点について解説を行う。