2023 年 7 巻 s2 号 p. s123-s125
神奈川県西部に位置する箱根町は、富士箱根国立公園の中心的位置の1つの座を占め、人口13000人あまりながら、コロナ禍以前の2017年には、2000万人以上が国内外から来訪した、日本を代表する都市近郊型の温泉リゾートである。執筆家であった杉山洋美(1944-2020)は、そこに住む「人」こそが、世界的観光地の魅力の根源ではないかという意図で、亡くなる年に『平成の箱根人-その道からこぼれる煌めきの一片』を著した。また、ビジネスパートナーだった㈱小田急エージェンシーの部長である内田博は、2019年、私費で、『箱根のヒトビトストーリー Hakone oral history』というウエブサイトを立ち上げ、箱根の人々の言葉をデジタルアーカイブ化した。本発表では、個人が残した記録の著籍化、ならびにデジタルアーカイブ化を通し、「人々の記憶と記録を残す」という地域デジタルアーカイブの一例について、考察していきたい。