2023 年 7 巻 s2 号 p. s138-s141
本研究は、空中結像ホログラムを活用して現実世界の空間における3Dデジタルアーカイブコンテンツ向けの閲覧環境の試作を行った。空中結像ホログラムによる表示は、3つの新しい可能性を持っている。第一に、物理的にそこに存在するように見えるコンテンツに、実際に手を挿入することで直接場所を指定することが可能となる。第二に、現実世界の空間とコンテンツとをシームレスに統合し、従来は感じ取りにくかった質感などを感じることが可能となる。第三に、3Dを直接手に取ることにより、従来の2D表示では不可能だった多角的な閲覧や観察が可能になる。本研究は、光学的なホログラム技術を利用することにより、そこに見えながらも触ることがないデータ提示方法を提案するものである。本発表では詳細とともに、実際の試作品と制作時の課題、それらの解決策などについて解説する。