2023 年 7 巻 s2 号 p. s150-s153
本発表は古典教育において、古典本文と絵画資料の比較検討という、デジタルアーカイブコンテンツの活用モデルを提案するものである。従来、デジタルアーカイブの教育活用においては、教育内容とコンテンツとの紐づけが課題となっていたが、発表者らが実践した古典の授業モデルでは、コンテンツと教育内容との紐づけが比較的容易で汎用性があることを示す。さらに、この数年でICT環境が急速に整備されたことにより、学習者が自身の端末でコンテンツを操作したり編集したりと、コンテンツを教材として活用しやすくなった。このようなコンテンツの積極的活用は、学習者のデジタルメディアリテラシーを向上させるだけでなく、学習者が古典に関するコンテンツを享受し、それを発展させていく継承者としての態度や技能を育成するためにも有効であると考える。