デジタルアーカイブ学会誌
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セッションB1
[B14] 自治体広報写真は何を写しているのか?:写真の被写体に関する実証的考察
佐藤 忠文
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2023 年 7 巻 s2 号 p. s67-s70

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抄録

自治体広報写真とは「自治体が広報活動のなかで撮影・収集及び管理してきた写真資料全般」である。この写真は主に広報紙制作のために撮影されてきたが,地域社会を継続的かつ組織的に撮影してきたという意味で貴重な写真資料のひとつと考えられる。本研究ではこの自治体広報写真の被写体に注目する。近年,文化情報資源の視点からこれらの写真のデジタルアーカイブ化や二次利用が進められている。しかしこの写真が,どのような特徴を持った写真であるかを明らかにする試みはほとんどない。そこで本研究は,2019年度に発行された福岡県内の自治体広報紙を対象に,その掲載写真の被写体を調査した。調査は広報紙のPDFファイルから写真を入手し,被写体を分析した。その結果,自治体広報写真は「人物を撮る写真」であると示唆され,関連して過半数の写真が肖像権処理の対象になり得ることが示唆された。

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