デジタルアーカイブ学会誌
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セッションA2
[A23] パンデミックと博物館のデジタル化の傾向:リトアニア共和国の統計データの分析
木村 文
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 8 巻 s2 号 p. s111-s114

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抄録

2020年初頭から全世界的に広まった新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、世界各地の博物館は活動を制限された。対面で活動できなくなった分、デジタル技術を活用したオンラインのコミュニケーションを増加させたと言われている。しかし、実際にどの程度の増減があったのかについては、先行研究では明らかになっていない。そこで本稿では、リトアニア共和国におけるデジタル化の事例をもとに、統計データから博物館においてパンデミックを機にデジタル技術の活用が増えたのかを検証した。リトアニア文化省の公表する博物館の統計データのうち、2018年から2023年分の「年間のデジタル化された文化財の点数」のデータを用いて、デジタル化が行われた点数の推移を検証した。合計値と中央値を算出し、グラフと表を作成して、推移の検証を行なった。分析の結果、全体としては大幅な増減は見られなかったものの、規模の大きな博物館以外によるデジタル化数の底上げがパンデミックによって起こったと考えられる。

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