2022年4月に開始されたBeyond Book Project(BBP)「講談社・メディアドゥ新しい本寄付講座」では, 書籍・電子書籍のようなパッケージ型ではなく, デジタルコンテンツ本来の特性・メリットを生かしたネットワーク型・オープン型の知的構成体のあり方を検討している.これは, 未来社会における “知識獲得から知識体験への拡張” を提供する「新しい本」を開発し, 社会実装することを目指すものである.本発表では, その成果の一部として作成した, 利用者にアダプティブされた「文末コラム」生成のプロトタイプの構成と開発について解説する.このプロトタイプは, 利用者のプロファイリング情報と読書付随行動から得られるデータとマイクロコンテンツ化した書籍情報をRetrieval-Augmented Generation (RAG)を用いて融合し, 文末コラムとして出力するものである.発表時には, マイクロコンテンツ化の課題や, コンテンツ生成プロセス時に検討したプロンプト文の生成や生成タスク分離の工夫についても共有する.
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