2025 年 9 巻 s2 号 p. s146-s149
広島に原爆が落とされてから80年の歳月が過ぎた。広島における原爆の惨状は様々な形で報告されているが,地域的に見れば狭い範囲を示すことが多く短編的で部分的なものが多い。アメリカ軍の戦略爆撃機B-29を改造した写真偵察機F-13からのフィルム航空写真情報は広い範囲を含む詳細情報を含んであり,今でも入手が可能な貴重な資料となっている。著者らはこれまで広範囲の⻑崎地域を中心とした原爆関連の写真情報を,主に国土地理院から購入して解析し報告をしてきた。本論では広島地域を中心とした写真偵察機による航空写真情報を,アメリカの国立公文書館に整備されているフィルムスキャナーを利用して直接スキャニングして解析を行った。これらの一連の過程について,写真偵察機F-13による写真情報の詳細から,スキャナーによる収取手順とオルソ画像の作成,最後に地上点と写真上の場所をGPS点として結び精度分析までの解析手順を報告する。本論では広島の原爆前後のデータとして,1945年7月25日の28枚及び8月11日の33枚の合計61枚のスキャニングした航空写真を用いて解析を進めた。