2025 年 9 巻 s2 号 p. s208-s211
つるフィールド・ミュージアム(TFM)は、地域の自然と文化を総合的に捉え、学びの拠点となることを目的に2025年に開館した。TFMのデジタルアーカイブ(DA)は、学術的資料の保存だけでなく、学生や市民が関わるフィールド活動や感性を記録することを重視している。DA構築では、資料の科学的価値に加え、人がどのように関心を持ち、学びを得たかを記述するメタデータ設計とネットワークの構築が求められる。また、構成主義的学習理論や新行動主義の視点を踏まえ、感じる力から学びを深める博物館教育の流れを意識し、主体的な解釈や多様な受け止めを促すコンテンツの在り方を目指す。TFMは「真性なアーカイブ」「魅せるアーカイブ」「両者を架橋するネットワーク」という三層構造を通じて、ヒトとフィールドの関係を媒介し、体験と知の循環を生み出す学びの生態系を構築することを目指している。