情報のデジタル化は、有形の知的資源を電子データとして保存・流通することだけではない。デジタル化する際に、情報の実体を捨てると、情報の保存や共有が容易になる一方で、物理的な媒体を介して認識されていた情報全体の構造や関係性が曖昧になり、場合によっては失わせる危険も伴う。利用者にとってピンポイントの検索は容易になるが、特にデータベース内部にある情報に対しては、自分がどの情報に向き合っているのか、それらがどのような関係にあるのかを把握することが困難である。そこで本研究では、人間の空間認知を活用し、無形の電子情報資源の構造を可視化することを試みる。さらに、主観的な知覚に基づき、客観的な知識空間と主観的な知識空間とのあいだに生じる歪みを再現する。これにより、他者の視点から情報資源を捉えることが可能となる。