2025 年 9 巻 s2 号 p. s73-s76
浦安市に点在する埋立護岸やその周辺風景のデジタル化により制作した仮想空間を体験することで、鑑賞者が浦安の埋立護岸に刻まれた記憶を追体験するアート実践の試みである。埋立護岸は、浦安の埋立地としての歴史を示すランドマークとして認識されてきたが、現在は立入禁止の措置などが取られ、一部の護岸は撤去が検討されている。今回、浦安市民の身近な存在であり続けた埋立護岸に関する記憶の継承に取り組む「浦安藝大:護岸アーカイブプロジェクト」において、DNP大日本印刷の文化財鑑賞システム「みどころウォーク®」を用い、VR空間内で護岸の上などを歩くプログラムを設計した。本発表では、2025年9月に浦安市郷土博物館で実施したVR体験会の記録と、地域活動への参画などを通じて人々のウェルビーイングに貢献する「社会的処方」としての展開可能性の検討といった課題を報告する。