2025 年 9 巻 s2 号 p. s99-s102
近年の武力紛争ではドローンによる住宅への攻撃が常態化している。市民は窓の防護やバリケード設置といった自発的な建築的対応で対処しているが、その貴重な実践知は断片的にしか存在せず、体系的な記録・共有が喫緊の課題である。本研究は、これら「市民の建築的対応」を収集・分類し、実践知として継承することを目的とするデジタルアーカイブの構築を試みる。SNSや報道から収集した画像・テキストデータに対し、防護手法、使用材料といったメタデータを付与し、ウェブプラットフォーム上にデータベースとして実装する。本稿ではその構築プロセスを報告し、紛争下における市民の生存戦略を記録する新たな手法を提示する。本アーカイブは、他地域の市民への知識提供や、将来のレジリエントな復興計画に資する基礎資料としての活用が期待される。