2020 年 30 巻 1 号 p. 18-27
近年,低頻度の外力現象の多発により,多くの水害・土砂災害が発生している。これらの被害を最小限に留めるべく,治水能力を有するダムは貯水機能を最大限に活用するため,事前放流操作や異常洪水時防災操作といった規定に基づき運用される。しかし,さらなる効果的な貯水池運用を目指す場合,ダム流入量の予測精度向上は不可欠である。本稿では,Gradient Boosting Decision Treeと呼ばれるアンサンブル機械学習手法をダム流入量予測スキームに適用し,ニューラルネットワークモデルに比較して高い予測精度を確保できることを示す。