台形CSGダムの堤体材料となる砂礫は現地発生材ゆえ品質のばらつきが大きく,CSG製造時は室内試験による材料特性(粒度・表面水量)の監視が必要不可欠である。そこで筆者らはこれまでにデジタル画像解析手法によりCSG材の粒度を連続的に監視する連続粒度解析システムを開発し,母材山破砕材に適用してその有効性を検証している。一方で微粒分を含む河床砂礫材については表面水量が高いことから,デジタル画像解析による粒度測定への影響が懸念された。そこで表面水量が高い材料に対する粒度測定の精度を確保するため,デジタル画像解析とRI水分計を組み合わせることで,表面水量の計測結果を粒度解析にフィードバックする「粒度・水分量連続監視システム」を新たに開発した。本稿は比較的表面水量の高い河床砂礫を材料とするサンルダムへのシステム導入に際しての確認実験と現場適用性の検証結果について報告するものである。
近年,低頻度の外力現象の多発により,多くの水害・土砂災害が発生している。これらの被害を最小限に留めるべく,治水能力を有するダムは貯水機能を最大限に活用するため,事前放流操作や異常洪水時防災操作といった規定に基づき運用される。しかし,さらなる効果的な貯水池運用を目指す場合,ダム流入量の予測精度向上は不可欠である。本稿では,Gradient Boosting Decision Treeと呼ばれるアンサンブル機械学習手法をダム流入量予測スキームに適用し,ニューラルネットワークモデルに比較して高い予測精度を確保できることを示す。