2021 年 31 巻 1 号 p. 88-99
川俣ダムは,利根川水系の鬼怒川治水の一環として,1966年に完成した高さ117mのアーチ式コンクリートダムである。建設後約50年が経過した現在,基礎岩盤補強の必要性が高まり,ダム下流に岩盤PSアンカーを施工する工事である。放流などダム機能を維持しながら,また,冬期休止があるため年間の稼働日数が少ないなどの施工条件の中,急峻な地形に大規模なアンカー構台を設置し,国内最大級の大口径・長尺のアンカーの削孔~緊張定着における技術的特徴・課題と品質確保を図った対応策について報告する。