2021 年 31 巻 1 号 p. 77-87
ナムニアップ1水力発電プロジェクトのRCCダム建設において,RCC打設休止時のダム堤体の水平打継目に,ダム軸方向のひび割れが発生した。ひび割れ調査をすると共に,実際の外気温とRCC強度の結果をもとにダム堤体の温度応力解析を実施した結果,冬季の12月に外気温が平年以上に急降下し,RCC内部と表面との間に大きな温度差が生じたことが,ひび割れ発生の主原因との結論を得た。本報告は,現地調査,RCCダム技術の事例収集と温度応力解析等を通じて,ひび割れ原因を究明し,ダムの健全性,RCCのひび割れ抑制およびその有効な対策について検討した。