2023 年 33 巻 2 号 p. 107-118
著者らは,断層変位を受ける構造物のフラジリティ評価において,知識・データ不足に起因する認識論的不確かさを考慮した評価手法の提案を行っている。本提案における,フラジリティ評価のための最適評価モデルの策定では,台湾石岡ダムの被害事例を分析し,断層変位を受ける構造物フラジリティ評価における重要な論点を整理した。また,同整理に基づき全体応答および局所応答を評価するモデルを用いて再現性の確認を行い,最適評価モデルの妥当性を確認した。本稿では,提案の概要および妥当性確認の内容について報告する。