日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
Online ISSN : 2434-2254
Print ISSN : 1343-8441
原著
摂食・嚥下障害看護認定看護師教育課程における教育効果の検討
深田 順子鎌倉 やよい浅田 美江
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2009 年 13 巻 2 号 p. 107-119

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抄録

【目的】摂食・嚥下障害看護認定看護師教育課程の教育効果を明らかにすることを目的とした.

【方法】認定看護師の摂食・嚥下障害看護質評価指標を用いて,2006 年登録認定看護師を対象に認定看護師教育課程修了後7 カ月および1 年7 カ月に郵送法による質問紙調査を実施した.同様に,2007 年登録認定看護師を対象に教育課程入学後1 カ月,教育課程修了後3 カ月および7 カ月に実施した.質評価指標は7 因子69 項目で構成され,第Ⅰ:摂食・嚥下機能アセスメント,第Ⅱ:退院調整に必要なアセスメント・実施,第Ⅲ:リスク管理と摂食・嚥下リハビリテーションの実施,第Ⅳ:咽頭期障害に対する摂食・嚥下リハビリテーションの実施,第Ⅴ:リスク管理のアセスメント,第Ⅵ:評価・指導・相談・看護チームのコーディネートおよび第Ⅶ:医療チームのコーディネートであった.質評価指標は5 段階で評価され,Wilcoxon の符号付順位検定を行った.

【結果】1.教育課程修了後7 カ月では,2007 年登録認定看護師22 名の調査の結果,因子を構成する項目の平均得点は,第Ⅰ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵおよび第Ⅶ因子は2.95,2.81,2.28,3.08,2.42 および1.89 であり,入学時に比べて有意に上昇した(p<0.05).

2.教育課程修了後7 カ月では,2006 年および2007 年登録認定看護師の調査の結果,因子を構成する項目の平均得点は,第Ⅰ・Ⅲ・Ⅴ因子では約3.0 であった.

3.教育課程修了後1 年7 カ月では,2006 年登録認定看護師26 名の調査の結果,因子を構成する項目の平均得点は,第Ⅱ・Ⅲ・Ⅴ・Ⅵおよび第Ⅶ因子は2.50,3.02,3.29,2.69 および2.00 であり,7 カ月と比較して有意に上昇した(p<0.05).

【考察】教育課程修了後1 年7 カ月では,リスク管理や摂食・嚥下機能のアセスメントおよび摂食・嚥下リハビリテーションが「ほぼできている」レベルであり教育効果を認めた.退院調整やコーディネートについては,教育を強化する必要が示唆された.

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© 2009 一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
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