病院や要介護高齢者施設,障害児者施設などの給食施設において,摂食機能の低下を考慮した食種が設定されているが,これらの食種の物理的特性を示す表現には主観的なものが多く,これまで本質的な部分を把握することができなかった.そこで,これらの主観的表現の物理的特性を整理することを目的に,大きさ,硬さ,粘度に関する主観的表現から受ける物性イメージを客観的数値化することを試みた.
給食施設の栄養士323 名を対象に,食形態の大きさ,硬さ,粘度を定義付ける主観的表現について,表現から受ける物性イメージをラインスケール法により調査し,回答を数値化して解析に供した.
主観的表現から受ける物性イメージを数値化することができ,物性の客観的な解釈ができるようになった.一方で,個人差の大きい表現があること,同等の物性に対し複数の表現が用いられていることなどが明らかとなり,喫食者の給食施設間の移動に伴い行う情報交換の際に混乱を招く可能性があることがわかった.このような認識のばらつきの実態を把握し,問題を理解するために有用な資料となると考える.