日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
Online ISSN : 2434-2254
Print ISSN : 1343-8441
短報
ピュレおよびペーストの食形態の認識調査とその物性
賀楽 二美栄山縣 誉志江西川 みか栢下 淳
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2011 年 15 巻 3 号 p. 304-309

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抄録

【目的】嚥下食の形態を表す用語である「ピュレ」および「ペースト」について,栄養士のイメージする食品を知ること,およびそれらの物性の違いを検討することを目的とした.

【方法】栄養士244 名にアンケート用紙を配布し,31 品目の市販食品に関して,それらが「液体」「ピュレ」「ペースト」「ムース」および「固体」のどの形態に属すると考えるかを調査した.また,用いた市販食品を物性測定し,形態間の物性を比較した.

【結果および考察】栄養士において,31 品目中,7 品目がピュレ,6 品目がペーストと分類された.ピュレかペーストかに回答が分かれた食品は5 品目存在した.本研究結果から,「ピュレ」および「ペースト」について,栄養士のイメージする食品を知ることができた.また,物性をかたさと粘度(60 rpm)で評価した場合,ピュレはかたさ700 N/m2未満,粘度5,000 mPa・s 未満,ペーストはかたさ700 N/m2以上,粘度5,000 mPa・s 以上が目安であると考えられた.

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© 2011 一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
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