2023 年 27 巻 2 号 p. 105-110
【目的】本研究の目的は,回復期リハビリテーション(リハ)病棟に経管栄養を必要とする状態で入院した脳卒中患者において,経管栄養を離脱するまでの日数が運動FIM利得に影響を与えるか否かを明らかにすることである.
【方法】本研究は,2014 年4 月から2018 年12 月までの期間に当院回復期リハ病棟に経管栄養を必要とする状態で入院した脳卒中患者213 名(年齢76[69-82],女性85 人)を対象とした後ろ向きコホート研究である. 主要アウトカムは運動FIM 利得とし,入院から経管栄養を離脱するまでの日数が運動FIM 利得に与える影響を多変量解析にて検討した.
【結果】対象者の入院から経管栄養離脱までの日数は23[12-47]日であった.重回帰分析の結果,入院から経管栄養を離脱するまでの日数は独立して運動FIM 利得に影響を与えていた(β=-0.320,p<0.001).
【結論】入院時に経管栄養が必要であった回復期脳卒中患者において,入院後早期に経管栄養を離脱するほど運動FIM 利得が高まる可能性が示唆された.