日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
Online ISSN : 2434-2254
Print ISSN : 1343-8441
原著
嚥下訓練食のテクスチャー特性に関する検討
道脇 幸博横山 美加道 健一大越 ひろ高橋 智子広田 恵実子
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2000 年 4 巻 1 号 p. 28-32

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抄録

摂食・嚥下障害者に適していると考えられている27種類の食物の硬さと付着エネルギーを分析した.その結果,食品の形態は1)均質ゾル,2)粘稠ゾル,3)不均質粘稠ゾル,4)ゾルとゲルの混合,5)均質ゲル,6)不均質ゲルの6型に分類された.

27種類の食晶中,硬さの最小値は1.87×102N/m2,最大値は3.51×104N/m2であり,付着エネルギーについては最小値が4.66×10J/m3,最大値が1.14×103J/m3,凝集性については最小値が0.08,最大値が0.99であった.したがってほとんどの嚥下訓練食の硬さは2×104N/m2以下,付着エネルギーは2×102J/m3以下であり,軟らかくて付着エネルギーも低いものが嚥下訓練食として頻用されていることが裏づけられた.またテクスチャー特性によって嚥下訓練食を類型化できる可能性が示された.

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© 2000 一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
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