日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
Online ISSN : 2434-2254
Print ISSN : 1343-8441
原著
嚥下造影における画像処理の有用性
関根 紀夫伊藤 彰義
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2001 年 5 巻 1 号 p. 11-19

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抄録

本論文では,パーソナルコンピュータに入力した低コントラストなVF(videofluorography)画像における造影剤の抽出方法について検討を行った.

VF画像を構成する画素は,画像全体や部位ごとのヒストグラムより,口腔相では低輝度領域に,咽頭相では中輝度領域に分布していた.そこで,対象領域ごとにダイナミックレンジ拡大を施すアルゴリズムを考案した.下顎骨と咽頭に跨がったバリウムは,一括で処理すると不鮮明となり,この場合,背景で分割して処理することにより,両領域で明瞭に抽出された.よって,画像処理プログラムは,口腔・咽頭・食道の3箇所に区分けして施行することにより,診断に有用との結果を得た.

さらに本手法を用いた新しい撮影システムは,従来法より被曝線量を約45%低減可能と示唆された.

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© 2001 一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
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