日本透析医学会雑誌
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原著
血液透析患者におけるPainVision® PS-2100を用いた電流知覚閾値(CPT)の検討
合田 朋仁岡 寛後藤 博道佐藤 倫子谷本 光生井尾 浩章清水 芳男濱田 千江子堀越 哲富野 康日己
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2009 年 42 巻 1 号 p. 77-83

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抄録
目的:血液透析患者における知覚神経障害を早期発見するため,PainVision® PS-2100を用い電流知覚閾値(current perception threshold:CPT)を測定した.対象および方法:対象患者は,順天堂大学医学部附属順天堂医院に通院している維持透析患者61名(男36名,女25名)と健常人112名(男52名,女60名)である.透析患者に関しては,血液透析開始前と後にCPTを測定した.結果:健常人と透析患者におけるCPTの比較では,CPTが最も低い血液透析後の非シャント側でさえ,透析患者の方が健常人と比較してCPTは有意に高値であった.血液透析前におけるCPTは,シャント側では非シャント側と比較して有意に高値であった.男女におけるCPTの比較では,男性の方が女性と比較してCPTは有意に高値であった.血液透析前後におけるCPTの比較では,血液透析前と比較して後ではCPTは有意に低下した.糖尿病患者と非糖尿病患者におけるCPTの比較では,両群間においてCPTに有意な差はみられなかった.年齢,性,腎不全の有無は,CPTの独立した規定因子であった.結論:血液透析患者における知覚神経障害を早期に発見するために,PainVision® PS-2100を用い,定期的にCPTを測定することは有用であると考えられる.
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© 2009 一般社団法人 日本透析医学会
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