日本透析医学会雑誌
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症例報告
半固型経腸栄養剤の投与により高度の代謝性アルカローシスと高カリウム血症を呈した維持血液透析患者の1例
花村 菊乃柴垣 有吾木戸 亮里中 弘志土井 研人花房 規男野入 英世藤田 敏郎
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2010 年 43 巻 2 号 p. 215-219

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抄録
症例は4年前より軽度腎機能障害を認めていた72歳,男性.'07年7月精巣上体炎に伴う感染後糸球体腎炎により血液透析導入となった.透析導入後,解離性大動脈瘤の破裂に対し緊急手術が施行され,維持透析に移行した.術後の経口摂取不能に対しリーナレン®,K-4S®による経腸栄養を開始.11月に胃瘻造設し,誤嚥防止のため経腸栄養剤を半固型製剤であるメディエフ®プッシュケアに変更したところ,高カリウム血症と代謝性アルカローシスの進行を認めた(pH 7.60,HCO3 36.8 mEq/L,K 6.5 mEq/L).経腸栄養剤の変更による影響を疑い,メディエフ®プッシュケアを中止し,テルミール®PGソフトを開始したところ速やかに改善傾向を認めた.経腸栄養剤の成分を検討した結果,メディエフ®プッシュケアでは他の製剤にくらべ,Clに対するNa含有量が多く,アルカリ性の組成を有することがアルカローシス発症の要因と考えられた.また,本剤ではカリウム含有量も他の製剤にくらべ多いことがわかった.本症例は,良好な透析コントロール下では極度の酸塩基平衡異常をきたすことは少ないと考えられる維持透析患者が,経腸栄養剤の投与により重度の代謝性アルカローシスを発症した稀な例であるが,透析患者における栄養製剤の選択に際しては酸塩基平衡や電解質異常にも十分な注意が必要と考えられた.
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© 2010 一般社団法人 日本透析医学会
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