日本透析医学会雑誌
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症例報告
脾静脈-下大静脈短絡による高アンモニア血症を呈し,balloon-occluded retrograde transvenous obliteration;B-RTO(バルーン下逆行性経静脈的塞栓術)により著明に改善した血液透析患者の1例
小島 史子上田 美緒斎藤 まどか田中 好子唐鎌 優子輿石 剛新田 孝作秋葉 隆
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2012 年 45 巻 3 号 p. 267-272

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抄録
症例は68歳,男性.2000年4月糖尿病性腎不全にて血液透析導入.1961年胃潰瘍にて胃亜全摘の既往あり(輸血施行).2004年9月頃より便失禁,うつ症状が出現.2010年になり小刻み歩行や食べこぼしなどの症状を認めるようになった.大酒家であること,C型肝炎ウィルスキャリアであることから肝機能障害を疑い,2010年8月3日血中アンモニア濃度を測定したところ232μg/dLと上昇を認めた.血小板数,凝固系は正常であり,腹部エコー,CTでも肝硬変所見は認めなかった.一方,CTにて拡張した脾静脈を認め,脾静脈から左精巣静脈を経て下大静脈へ至る短絡を認めた.血管造影で短絡が確認され,門脈大循環系短絡による高アンモニア血症と診断された.高アンモニア血症の原因として,肝硬変は否定された.分枝鎖アミノ酸製剤の点滴後も血中アンモニア値の充分な低下を認めなかったため,B-RTOを施行した.術後血中アンモニア値は正常化し,現在9か月を経過しているが,再発を認めず経過良好である.
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© 2012 一般社団法人 日本透析医学会
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