抄録
Rh(E)式血液型不適合妊娠に対して二重膜濾過血漿交換分離法double filtration plasmapheresis(DFPP)を施行した1例を経験した.症例は33歳,女性,Rh式血液型はccDee,夫はCCDeE.2度の子宮内胎児死亡の既往があり,今回妊娠9週にて抗E抗体512倍と高値であり,妊娠12週2日よりDFPP(計34回)施行した.経過中に高度の胎児貧血を認めたため,5度の臍帯血胎児輸血を施行し,34週3日に予定帝王切開にて女児を出産した.児はNICUにて交換輸血,γグロブリン製剤,光線療法による治療を行ったが,経過良好であるため日齢62日に退院した.血液型不適合妊娠に対しては免疫グロブリン療法(RhIG)の普及,胎児輸血(胎児腹腔内輸血・臍帯血管輸血)の技術の進歩により,母体への血漿交換療法は減ってきている.しかし,今回のように妊娠初期から抗体価が高い場合は,妊娠継続のためには必要な治療でありDFPPは有用であると考える.