2011 年 2011 巻 62 号 p. 96-99
CA 貯蔵(Controlled Atmosphere storage)していた2008 年産「ふじ」の果実において,こうあ部を中心に果肉が褐色水浸状に腐敗する症状が認められた.被害果には果肉腐敗のほかに果梗褐変を生じているものもみられ,それぞれの被害組織からはBotrytis 属菌が高率に分離された.分離菌株は培養性状,生育適温,形態観察からBotrytis cinerea と同定された.また果梗頂部へ分離菌を接種した結果,果梗褐変や褐色水浸状の果実腐敗が再現され,罹病組織からは同一菌が再分離された.以上のことから,CA 貯蔵中に発生したこうあ部腐敗はBotrytis cinerea による果梗感染で生じる被害であると考えられた.