抄録
小児期Burkkit lymphomaに対して化学療法を施行し寛解したが腎機能障害を指摘され慢性腎不全へ進行し,11年間腹膜透析(PD)の後血液透析(HD)を経て生体腎移植を行った21歳男性症例を経験した.PD期間中は除水不良と関係した慢性的なうっ血性心不全状態を呈した.HD移行後食欲低下と持続性水様性下痢を呈し,右季肋部に限局性の腹水の貯留と消化管気腫像を認め腸管穿孔が疑われたが,絶飲食を中心にした保存的管理で改善した後母親をドナーとした生体腎移植を施行した.移植後消化器病変の経過は良好であり,術前に問題となっていた心エコー所見を含めた心病変の改善が得られていることから,透析患者における心臓病変はuremic stateと関係した水体重管理の寄与が示唆された.