日本透析医学会雑誌
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原著
エポエチン ベータ ペゴル(C.E.R.A.)投与後の造血および鉄動態について
―投与3か月後までの検討―
葉山 修陽栗原 怜石原 力青木 路子飯野 靖彦
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2013 年 46 巻 8 号 p. 707-713

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抄録
エポエチン ベータ ペゴル(C.E.R.A.)は従来の赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis stimulating agent:ESA)と比較すると血中半減期は長く,造血が長時間持続するため,貧血改善,鉄動態に与える影響もこれまでのESAと異なる可能性がある.今回,C.E.R.A. 初回投与後4週間および4週間隔で2回投与し12週間までの貧血改善,鉄動態につき検討した.対象:安定している維持透析患者8名で,ESAの切り替えはエポエチン ベータ(EPOβ)投与量4,500 IU/週未満はC.E.R.A. 100 μg,4,500 IU/週以上はC.E.R.A. 150 μgをそれぞれ28日間隔で3回反復静脈内投与した.方法:C.E.R.A. 初回投与時は投与前,投与後2,4,7,14,21および28日目,2および3回目投与時は投与後14および28日目に血中EPO濃度,血清鉄,TSAT,フェリチン値,ヘプシジン-25濃度,網状赤血球数およびHb濃度を測定した.結果:C.E.R.A. 投与後,血中EPO濃度は14日目まではベースライン値に対して有意な上昇を示し(p<0.05,以下同様),血清鉄,TSATおよびフェリチン値は低下傾向を示し,ヘプシジン-25濃度は2日目で有意な低下を示した.網状赤血球数も7日目までは有意な上昇を示し,Hb濃度は7日目のみで有意な上昇を示した.各指標は28日目にはベースライン値に復し,2回目および3回目投与後も同様に推移した.結論:EPOβ週あたり投与量4,500 IU/週未満はC.E.R.A. 100 μg,4,500 IU/週以上はC.E.R.A. 150 μgへの切り替え後,鉄パラメータおよび造血パラメータは4週間の間にダイナミックな変動を示した.Hb濃度は4週間隔の3回投与で12週間にわたり安定に維持された.C.E.R.A. 使用後の鉄動態を考慮し,投与後1週目および2週目の鉄動態の検査は避けるべきと思われた.
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© 2013 一般社団法人 日本透析医学会
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