2015 年 48 巻 3 号 p. 179-186
【目的】地域で生活する糖尿病腎症透析患者の社会活動の実態と健康関連QOL (KDQOL-SFTM) との関連を検討した. 【対象と方法】対象はA県内3つの医療機関に通院する40歳以上の糖尿病腎症透析患者75人. 診療録からの情報と質問紙を用いた面接でデータを得た. 社会活動は3つの下位尺度 ([自己活動][身近な人々との交流][集団活動]) から構成. 社会活動に対する意欲および実施状況について健康関連QOLとの関連を比較検討した. 【結果】[自己活動], [身近な人々との交流], [集団活動]においてQOLとの関連があった. これらの社会活動を非透析日に週1回以上行っている者は, 行っていない者よりも健康関連QOLの程度が高いことが示された. 【結論】定期的な透析治療で制限のある生活においても, 社会活動に対する意欲を持つことができるように体調を管理し環境をつくること, 参加や継続を支援することの重要性が示唆された.