日本透析医学会雑誌
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症例報告
卵管采によるカテーテル閉塞と横隔膜交通症を合併するも腹膜透析を継続しえた1例
岡部 智史木村 隼人梅元 あずさ三島 敬一郎米田 尚弘菅 真一
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2015 年 48 巻 6 号 p. 383-388

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抄録
症例は47歳女性. IgA腎症による慢性腎不全のため, 2014年2月に腹膜透析カテーテルを留置され, 3月より腹膜透析を導入した. しかし, 導入19日目より頻回に注排液不良となり, 導入126日目より腹膜透析は一時中止とした. 原因検索のため, 導入143日目に腹腔鏡下手術を施行したところ, 右卵管采がカテーテル側孔に迷入しており, 内腔を閉塞させていたため, 迷入した卵管采を牽引して除去した. 術後, 腹膜透析を再開したところ, 注排液不良は改善を認めた. 導入197日目に貯留量を増量すると, 除水不良となり, 導入221日目には右胸水貯留を認めた. 導入227日目に胸腔穿刺を行ったところ, 胸水中の糖濃度の上昇を認め, 横隔膜交通症と考えられた. 導入234日目より2週間腹膜透析を中止した後, 日中のみで再開した. その後右胸水の再貯留はなく, 腹膜透析を継続しえた.
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© 2015 一般社団法人 日本透析医学会
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