日本透析医学会雑誌
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症例報告
無疹性帯状疱疹に伴う脊髄炎を生じた血液透析患者の1例
濱田 真宏森川 貴山崎 大輔竹内 由佳大野 良晃柴田 幹子岸田 真嗣今西 政仁北林 千津子小西 啓夫
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2016 年 49 巻 4 号 p. 297-303

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抄録

症例は66歳男性. 32歳から2型糖尿病, 52歳時に慢性C型肝炎による膜性増殖性糸球体腎炎からの末期腎不全で血液透析導入となった. X年2月, 腰痛の出現後から左下肢の筋力低下と両下肢痛が出現し歩行困難となったため入院となった. MRIにて胸椎2-3レベルの脊髄の腫大を認め, 左側よりにT1, T2強調画像で淡いhigh intensity areaを認めた. 髄液検査にて水痘帯状疱疹ウイルスを認めたが, 皮疹を認めないことから無疹性帯状疱疹に伴う脊髄炎と診断した. 免疫能が低下していると皮疹が現れにくいといわれており, そのため診断に苦慮することが多い. 本例は糖尿病, 肝硬変, 腎不全などによる免疫不全状態がその要因と考えられた.

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© 2016 一般社団法人 日本透析医学会
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