日本透析医学会雑誌
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症例報告
非外傷性脾破裂による血性排液を認めた腹膜透析患者の1例
山本 信櫻田 勉上原 圭太柴垣 有吾
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2016 年 49 巻 9 号 p. 605-609

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抄録

症例は56歳, 男性. 4年前に慢性糸球体腎炎による末期腎不全にて腹膜透析を開始. 6か月前から網膜動脈分枝閉塞症に対し抗血小板薬を投与されていた. バスに乗車中に突然の嘔気・嘔吐および左季肋部痛を自覚し, バッグ交換時に血性排液を認めたため当院受診. 腹部単純CTで脾周囲に血腫を認めたため脾破裂による血性排液と診断した. 外傷の既往はなく, 感染性疾患や悪性腫瘍などの基礎疾患もないため, 正常脾の自然破裂と考えられた. 同日より入院管理とし, 抗血小板薬を中止のみで保存的に経過観察したところ, 血性排液は徐々に改善し, 単純CTでの血腫の消退傾向が確認されたため退院した. 一方で, 非外傷性脾破裂は出血性ショックに至ることがあり, 脾臓摘出術を要することもある. 腹膜透析患者において原因不明の血性排液が持続する際には, 脾破裂に伴う出血の可能性を考慮した画像診断を遅滞なく行うことが肝要である.

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© 2016 一般社団法人 日本透析医学会
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