2018 年 51 巻 10 号 p. 585-590
新たな非カフ型カテーテルの導入を機に, 脱血不良の頻度および留置成績を従来品と比較した. 2015年1月から2016年2月までに使用されたカテーテル148本を対象に, 脱血不良の発生頻度を後ろ向きに検討した. 脱血不良発生をカテーテルの逆接続実施と定義し, 従来品をA群, 新規導入品をB群とした. 患者背景のうち留置部位ではA群で内頸静脈留置が有意に多かった (p=0.004). 脱血不良は全体で29.7%発生しており, 群間別ではA群37.6%, B群19.0%とB群で有意に低く (p=0.014), 留置部位別では大腿静脈留置においてB群で有意に脱血不良が少なかった (p=0.005). 留置期間に有意差は認めず (p=0.904), トラブルによるカテーテル交換はB群で有意に少なかった (p=0.024). 新規導入したカテーテルは従来品に比し有意に脱血不良が少なく, 特に大腿静脈留置時において有効であることが示唆された.