厚労行政推進調査事業の一環として, 血液透析 (HD) に従事する医師や医療従事者にHIV感染症とHIV感染患者のHDのあり方を直接説明し理解を深めるための講演会を開催した. 講演会によりHIV感染症に対する理解度やHIV感染HD患者の受入れがどのように変化するか, 講演会の意義があるかどうかを総合的に評価するアンケートを会場で実施した. 90%以上の回答者はHIV感染症やHIV感染患者の血液透析について 「理解が深まった」 と回答したほか, 半数以上の回答者がHIV感染症の実態について 「思い違いをしていた」 と答え, HIV感染症の現状を誤解している事実が判明した. 受入れに否定的だった回答者の28.3%が, 講演後, 受入れに肯定的となった. 以上より, HIV感染症の専門家とHIV感染患者のHDに詳しい医師による講演と率直な質疑応答を組み合わせた講演会は開催意義があると考えられた.