日本透析医学会雑誌
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短報
末梢動脈疾患(peripheral arterial disease: PAD)初期病変検出における足関節部ドプラ血流波形解析の有用性
吉田 絢耶梶田 潤一郎奈倉 千苗美奈倉 倫人奈倉 勇爾
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2021 年 54 巻 2 号 p. 89-92

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抄録

現在多くの施設で末梢動脈疾患(PAD)の診断に足関節上腕血圧比(ABI)や皮膚灌流圧(SPP)が用いられている.近年では早期発見を目的とする場合,カットオフ値を高めに設定すべきであるとの報告も多くみられるが,現在のところ一定の見解はない.一方ドプラ血流波形で逆流成分の消失を認めれば20%≦狭窄率<50%が予測されることから,下肢超音波検査がABIやSPPより早期に病変を検出できる可能性が期待されるが,その検査手技は煩雑である.そこで今回われわれは簡便な方法として足関節部に限定したドプラ血流波形解析の有用性を検討した.透析導入1年未満の患者22例を対象としたとき,ドプラ血流波形に逆流成分の消失を認めた11例中7例はABIやSPPに異常を認めなかった.このことより足関節部に限定したドプラ血流波形解析はABIやSPPに異常をきたさない初期病変を検出できる可能性が示唆された.

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© 2021 一般社団法人 日本透析医学会
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