2022 年 55 巻 4 号 p. 255-264
COVID‒19肺炎を伴う糖尿病血液透析患者において,高血糖は重症化や死亡リスクと関連するとされている.Flash glucose monitoring(FGM)は新しい連続的なセンサーによる皮下グルコースモニターである.われわれは3例のCOVID‒19肺炎を伴う糖尿病血液透析入院患者でFGMを経験した.COVID‒19肺炎は全例まずfavipiravirを投与,その後remdesivirとmethylprednisolone(mPSL)に続いてdexamethasoneを投与したが,mPSL開始時から血糖値が悪化しFGMを導入した.患者が発熱,倦怠感,混迷状態でもFGM施行可能であった.FGMは導入が容易で,グルコース値の改善が全例にみられ,スタッフと患者の接触回数も削減できた.COVID‒19合併糖尿病血液透析患者におけるFGMの正確性については今後の検討を要する.