日本透析医学会雑誌
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症例報告
カテーテル抜去を行わず,保存的加療で治癒できたMycobacterium wolinskyiによる腹膜透析関連腹膜炎の1例
益田 加奈山﨑 康司
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2022 年 55 巻 4 号 p. 249-253

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抄録

68歳,女性.糖尿病性腎症による慢性腎不全に対して,腹膜透析カテーテル挿入術後14日目に出口部より浸出液,翌日には発熱もみられたためセファゾリンの静脈投与を開始した.腹膜透析(PD)関連腹膜炎を合併したためセファゾリン,セフタジジムの腹腔内投与も開始したが改善せず,術後18,21日目よりメロペンの静脈,腹腔内投与にそれぞれ変更.術後35日目に排液細菌培養よりMycobacterium wolinskyiと同定.Mycobacterium wolinskyiは,多剤抵抗性の非定型抗酸菌症(NTM)であり,手術後創部感染症の原因菌として報告がある.本症例では,薬剤感受性のあるLVFX内服に切り替え,その後MINO内服併用を3か月行った.本症例は,術後創部感染から腹膜炎に至った導入初期のNTMによるPD関連腹膜炎に対して,保存的加療で治癒し得た貴重な症例と考えられたので報告する.

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© 2022 一般社団法人 日本透析医学会
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