日本透析医学会雑誌
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症例報告
Clostridium perfringensによる気腫性胆囊炎と仮性大動脈瘤を伴う感染性大動脈炎を発症し,PMX-DHPと血管内ステントグラフト挿入で救命し得た免疫抑制下高齢維持透析患者の1例
竹内 和博和田 幸寛内田 満美子鎌田 貢壽竹内 康雄
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2023 年 56 巻 1 号 p. 11-17

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抄録

症例は82歳男性.2年前に糖尿病性腎臓病による慢性腎不全で血液透析導入となり,1年前血管炎による肺出血の疑いでステロイド治療が開始されていた.2週間前から発熱と心窩部痛を自覚し,胸背部痛も出現し入院.CT検査にて気腫性胆囊炎と総胆管結石,胸部大動脈に感染性仮性動脈瘤を認め,抗菌薬を投与するも,敗血症性ショックを呈し,第2病日よりエンドトキシン吸着療法(polymyxin B immobilized fiber column direct hemoperfusion:PMX-DHP)を施行した.血液培養からClostridium perfringensが検出されたが,吸着療法は奏効し,第16病日に内視鏡的胆管ドレナージを施行.仮性動脈瘤が増大したため,第28病日に血管内ステントグラフトを挿入し,第77病日に退院した.易感染宿主における本感染症の生命予後は不良とされる.本例は免疫抑制下高齢維持透析患者であったが,PMX-DHPと血管内ステント挿入を効果的に施行して救命し得ており,貴重な症例と考え報告する.

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© 2023 一般社団法人 日本透析医学会
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