日本透析医学会雑誌
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症例報告
透析患者に発症した後天性反応性穿孔性膠原線維症にミノサイクリンが有効であった1例
勝岡 洋治丸山 泉小野 薫小林 喜子中川 雅代佐藤 美穂子佐々木 大明小橋 一弥常山 重人小山 誠本田 裕介
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2023 年 56 巻 4 号 p. 137-141

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抄録

Ⅱ型糖尿病を原疾患とする末期腎不全の透析患者(51歳,女性)に後天性反応性穿孔性膠原線維症(acquired reactive perforating collagenosis:ARPC)を合併した症例.2017年頃より顔面,体幹および上下肢伸側に固着性の痂皮や角質物質を付す掻痒の強い紅色丘疹が多発するようになった.各種外用薬を処方するも難治性であったため皮膚科専門医の受診を勧めたところ,ARPCが疑われた.ステロイド外用薬と抗アレルギー薬などが処方されたが効果は乏しかった.その後,本症に対してミノサイクリン(200 mg/日)の内服を開始したところ,内服1か月後には頑固な掻痒が軽減するとともに皮疹も改善した.透析患者の掻痒を伴う皮疹の鑑別疾患としてARPCを念頭に置くことは大変重要であり,ミノサイクリンは有効な治療薬であろう.

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© 2023 一般社団法人 日本透析医学会
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